桜庭一樹さん『青年のための読書クラブ』を読んでみました。
1919年設立の格式高いミッションスクール・聖マリアナ学園。
大都会東京山の手にありながら、時代の波に影響されることなく伝統を守り続けている。
良家の子女たちが通う、幼稚舎から大学までエスカレータの正真正銘お嬢様学校だ。
魅惑のヴェールに包まれた女の園には、年頃の少女たちをときめかせてやまない王子がいた。
王子と言っても男性ではない。
美しく上品で気高い“偽の男”が、選挙によって選び出されるのだ。
1969年6月、新しい王子が決定した。
王子の名前は、烏丸紅子。
1年前に転校してきたばかりの異分子だった。
紅子当選の裏には生徒たちから忘れられた部活“読書クラブ”の暗躍があり・・・?
聖マリアナ学園設立から100年間の黒歴史をまとめた5つの連作短編集です。
閉鎖的な空間で、本物の男性を忌み嫌いつつも、憧れの対象として王子を選出する少女たち。
時が流れても変わらない空間がファンタジックで、コミカルでもあり、すっきりと読み終えることができました。
女子校がどのようなものかわかりませんが、女同士の戦いや男性化などは、うわさに聞きます。
特に創作物では誇張表現が使われるものですから、どちらかというとマイナスイメージを抱いていましたが、聖マリアナ学園の女社会は実に楽しそうでした。
ほとんどの生徒は男口調で一人称も“ぼく”、美少女を王子に祭り上げ、生徒会や演劇部が幅を利かせる格差社会もあります。
生徒会は東の官邸、演劇部は西の宮殿、新聞部は北のインテリヤクザときて、“読書クラブ”は南のへんなやつ等・・・
へんなやつ等とはひどい言われようですが、読み終えた人にとっては言い得て妙ですね。
確かにはみ出し者ばかりの“読書クラブ”。
しかし異端児の底力は半端なものではありません。
彼女たちは人知れず大志を抱いており、それを実現すための不屈の精神も持っています。
毒を喰らわば皿まで。
学園まるごと巻き込んでしまいました。
紅子を王子へと導いた立役者・妹尾アザミの手腕に恐れ入りました。
孤独な浪速娘だった紅子は、アザミによって愁いを帯びた不良美青年へと作りかえられます。
不良といっても低俗なチンピラではありません。
洋書を片手に、孤高な男を演出!
寂しそうな美男に近づこうとして、「君、孤独を知っているかい?」なんてささやかれたら、夢見る少女は形無しでしょう。
女性の柔らかいところを熟知した女性ならではの戦法ですね。
やり方次第でなんとでもなるものですね。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『青年のための読書クラブ』
以外にも、桜庭一樹さんの
『GOSICK』シリーズ
『無花果とムーン』
『ばらばら死体の夜』
『私の男』
『赤朽葉家の伝説』
『砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない』
などを買取強化しております。
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2014/8/01 カテゴリ: 査定情報