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山村美紗『代理妻殺人事件』買取強化中です

2014/6/09 カテゴリ: 査定情報

最初の問題でつまずくと、その後の問題すべて、芋づる式に間違ってしまうこと、ありますよね。
受験生のころ、痛い思いをした記憶があります。



山村美紗さんの『代理妻殺人事件』を読みました。

巻き込まれた登場人物たちは、最初は、幸せに暮らしていました。

小さなことから少しずつ狂っていき、止められなくなってゆくのです。

事件が起こる前に、誰か一人でも正常な判断をしていれば、きっと殺人には、いたらなかったでしょう。



三千彦は、和美を振った方法に、問題がありました。
執念深い和美です。三千彦は、自衛のためにも、きちんとアフターケアをすべきでした。


和美は、もっと早くに三千彦に見切りをつけなければなりませんでした。

失恋の痛手はわかります。
けれど、三千彦に対して不満がありましたし、まだ結婚をあせるほどの年齢ではなかったはずです。

なにより、産婦人科を受診するべきでした。



岡田夫妻が和美を自殺から救ったとき、ようやく和美を信じてくれる人が現れたのかと、安心しました。


和美は、安定した生活を望んでいました。苦労なく、愛されて、自由に暮らしたかったのでしょう。



しかし岡田夫妻も、不慮の事故によって、精神的に疲弊していました。

悪く言えば、彼らはお金を使って、和美の感情に付け込んだのです。



はじめに動いたのは、和美でした。妊娠していないと嘘をつきました。


その後、岡田夫妻を巻き込んで、嘘の連鎖が始まります。


妻を裏切り、ひそかに和美と親しくしていた岡田。

自ら頼んだのに、岡田と和美の情事を逐一知りたがった岡田夫人。
口裏を合わせた、産婦人科の医師・助産師・・・



引き返す場所は、たくさんありました。

でも和美は、目の前の苦労から顔を背け、将来の自分がすべての罪を負うよう、選択してしまったのです。



思えば和美は、初めて三千彦から別れ話を切り出されたとき、三千彦殺害を思いとどまっています。

確かに良心があったのです。

嘘で自分の居場所を作り、つかの間の安定を知っていくうちに、和美は、引き返せなくなっていったのかもしれません。
ひとつ間違えたことで、何が正しいのかわからなくなったのでしょう。



結果的に、早とちりをしたせいで、自分のみならず、周りの人間の人生まで狂わせてしまった和美。


すべてを失ってから、後悔したって、遅いのです。



もちろん、彼女ひとりを責めることはできません。

全員、自業自得と言えます。



なぜもっと早くに、お金や子どもで、人の気持ちを繋ぎ止めようとするのをやめなかったのでしょうか?
嘘をついてしまったのでしょうか?
ちゃんと検査しなかったのでしょうか?
男がいないと生きていけないと思ってしまったのでしょうか?


人生、頭からやり直しはできません。

でも、早い段階で過去を顧みて、間違いに気づけは、改心することができると思います。




さて、ブックマニアでは、
今日ご紹介した
代理妻殺人事件
以外にも、山村美紗さんの作品買取に力を入れております。
キャサリン』シリーズ
不倫調査員・片山由美』シリーズ
女検視官・江夏冬子』シリーズ
葬儀屋・石原明子』シリーズ
死体はクーラーが好き
また、映像化作品
赤い霊柩車』シリーズ
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