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西村京太郎『「雪国」殺人事件』買取強化中です

2014/6/13 カテゴリ: 査定情報

歳をとると、昔は考えずにできたことも、だんだん、できなくなっていきますよね。

知識や経験が増えていくと、大きな失敗をすることは、少なくなります。
しかし、無知なころのように、尻込みせずに飛び込むことは、難しくなってしまうものです。



西村京太郎さんの『「雪国」殺人事件』を読みました。


正しいことを考えすぎて、菊乃の頼みを聞いてやれなかった橋本。
若いということを武器に、橋本の代わりに行動した透。

どちらが、愛する女性を、大切にしたのでしょうか。



橋本は、これまで30年近く生きてきました。

刑事になり、恋人を失い、人を殺し、服役し、故郷に帰れなくなった・・・
過ちを犯し、社会の荒波にもまれ、いろいろな経験をしたんでしょうね。

人生が、予定通りに進まないということを、知っています。

それが、橋本の強みであり、菊乃の心をとらえたきっかけでしょう。



透は、21歳とはいえ、世間知らずの大学生です。

しっかり勉強して大学を出て、安定した公務員になることが目標。
それが理想の暮らしで何よりの幸せなのだと、信じて疑いませんでした。

菊乃のことも、自分が一番いいと思う方法で、幸せにしようとします。


だけど菊乃は、まいかのことを気にしていました。

やっと会えた妹なのですから。
ふたり一緒に芸者をしていきたかったはずです。少なくとも、透と結婚するつもりは微塵もありません。


ところが透は、菊乃が結婚を拒絶する意味が、分かっていませんでした。
子どもだったのでしょう。
橋本も、菊乃が透になびかないとわかっていて、透の気が済むまで、好きにしたらいいと、思っていました。



事件が起こり、橋本は、菊乃の幸せを考えるようになりました。

けれど、首を突っ込んでもいいものかと、思い悩みます。

これ以上関われば、菊乃を傷つけてしまうのかもしれない。
すぐにでも立ち退くべきだけれど、心配でほうっておけない。

これまでの多くの経験が、橋本にブレーキをかけていたのです。
愛する菊乃から、一番に頼られたのに、宙ぶらりんのまま、傍観することを選びました。



一方、透は、自由に動くことができました。
何も知らない。だから、何も怖くない。

若さに任せて、無鉄砲に飛び出した透は、菊乃のために、まいかと逃げました。

愛を貫いたのです。



社会的に正しいことをしたのは、橋本です。
透は、犯罪の片棒を担ぐことになりました。



ですが、はたして、菊乃のためを想ったのは、どちらだったのでしょうか。




さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
「雪国」殺人事件
以外にも、西村京太郎さんの作品買取に力を入れております。
D機関情報
華麗なる誘拐
寝台特急殺人事件
終着駅殺人事件
また、映像化作品
西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ』シリーズ
恋人はスナイパー
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