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辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』買取強化中です

2014/7/04 カテゴリ: 査定情報

辻村深月さんの『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』を読んでみました。



結婚し東京に住んでいるみずほは、小学生時代からの同窓であるチエミが殺人を犯し追われているというニュースを知って驚愕します。
チエミは母親の脇腹を刺し殺し、そのまま失踪していました。

ふたりは仲の良い親子だったはずなのに・・・


地元でチエミと一番仲が良かったみずほは、いなくなったチエミを探すことを誓います。

ほとんど戻ることもない山梨に帰り、共通の友人や恩師を訪ね、チエミについて調べ始めますが―――




女同士の関係は、男同士によくあるようなさっぱりした付き合いばかりではありません。

女は男に比べて打算的ですし、自分のテリトリーを守ろうとする生き物でもあります。

仲のいい友人であっても、真似をされるのは嫌だったり、相手と自分を比べて妬んでいたり、自分のほうが優れていると思い込もうとしていたり・・・

表面的にはそう見えなくても、水面下では陰湿なやりとりが行われているかもしれません。

男性には理解されないような小さな事柄でも、女同士にとっては大問題。


煩わしいものですが、女同士の世界には、決して犯してはならない不文律がたくさんあります。



それはたとえ親子であっても同じです。
女同士の確執に発展する可能性はあります。


母とも娘の関係は、父と息子のそれとも、母と息子のそれとも、父と娘のそれとも違います。


娘であっても、母親であっても、やっぱり女なのです。


ライバルになることもあります。

ここでいうライバルとは、父親を超えたい・息子に超えてほしいと願うロマンチックな関係ではなく、あさましい女同士の競争関係です。


お互いをひとりの女だと認識する瞬間は、ある日突然やってきます。
本人たちも気づかないうちに家族の絆を蝕んでいるかもしれません。


そして一度崩れた母娘の関係性に男家族が介入することは、ほとんどできません。



さらに特筆すべきは、母娘の敵対関係は親子同士であるがゆえ、決別できずに悪循環をもたらすことがある点です。

チエミの母とチエミは、長い間、仲のいい親子でした。
チエミは30年間も、母への信頼を崩すことなく、だれに批判されても近すぎる親子であり続けていました。

チエミの母は、それまでチエミをうまく支配下に置き、コントロールしていました。

チエミを完ぺきに理解し、心からチエミにとって一番いい方法を考えているつもりだったのでしょう。

その自負が、思いがけないチエミの反抗を受け止めきれなくさせ、最悪の事態を招きました。



血のつながりがあっても、些細なことで均衡が崩れる危険があることを認めずにはいられません。




さて、
ブックマニアでは、今日ご紹介した
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ
以外にも、
オーダーメイド殺人クラブ
鍵のない夢を見る
冷たい校舎の時は止まる
凍りのくじら
などなど辻村深月さんの作品買取に力を入れております。
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