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道尾秀介『向日葵の咲かない夏』買取強化中です

2014/7/10 カテゴリ: 査定情報

道尾秀介さんの『向日葵の咲かない夏』を読みました。



夏休みを目前にした終業式の日、小学四年生のミチオは担任の岩村先生から、欠席しているS君にプリントを届けるよう頼まれました。

S君の家を訪れたミチオは、和室で首をつっているS君を発見してしまいます。

しかし、その後様子を見に行った先生と刑事から、遺体が発見できなかったことを聞かされます。

事件から一週間後、疑問を抱いていたミチオの前に、蜘蛛になったS君が現れました。

驚くミチオに、S君は言い放ちます。


「僕は、岩村先生に殺されたんだ」



本当に些細なきっかけで、人生は狂ってしまいますね。

ミチオに共感はできませんが、ミチオを否定することもできません。

過ちを認めず、都合よく周りに解釈させることは誠実ではありません。
自分の過ちを知っているなら、当然、罪を償うべきです。

けれど、それは口で言うほど簡単なことではありません。自分かわいさに正当化したくなります。


「わかってほしい。本当はこんなつもりじゃなかった」



後悔するだけでは人の感情に直接干渉できません。
手っ取り早く物語を捻じ曲げようとすれば、多くの人をだます必要が出てきます。

そのためには、まず自分をだまさなければ・・・


しかし自己欺瞞は、自分の心を大きく傷つけます。

本来、最も信頼できるはずの自分を、自ら陥れるのですから。

物語が崩壊したときのストレスは、人に裏切られたときよりも深刻なものになるでしょう。


もともとは自分を守るために始めた欺瞞でも、物語が終われば、再び自分に返ってきます。


自分をだますことは簡単かもしれません。
他人を言いくるめるよりも、自分ひとりが思い込めばいいのですから。

ですが、それがのちに後悔をもたらすと覚悟しておかなければなりません。

だませばだますほど罪悪感も重くのしかかります。

そしていつか必ず物語は終わります。

自分を一生だまし続けることはできません。


ミチオ自身も、膨れ上がった物語に気圧され、過去から動けなくしてしまいました。



その夏、蜘蛛のS君は、死ぬ間際に見た向日葵に希望を見ていました。

向日葵を明るい未来の象徴だとするのなら、わたしには、登場人物みんながミチオに付かれて心に闇を抱え、先へ進めなくなってしまった咲かない向日葵に思えてなりません。



ミチオの作った物語は、アブラムシさながらに希望を喰らいつくし、向日葵たちは一輪の花をつけることもなく、夏を終えました。



さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
向日葵の咲かない夏
以外にも、
ラットマン
ノエル
月と蟹
カラスの親指
シャドウ
など、道尾秀介さんの作品を買取強化しております。
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