東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』を読みました。
ガリレオシリーズの長編であり、2006年には直木賞を受賞していますね。
花岡靖子は町の小さな弁当屋で働いています。
中学生になる娘の美里とふたり、細々と、しかし仲良く暮らしていました。
ある日、働く靖子の前に現れたのは、前夫の富樫でした。
富樫は靖子たちの住むアパートに押しかけ、復縁を迫ります。
カッとなって暴れだした富樫を押さえつけるさなか、靖子と美里は、電気コードで富樫を絞殺してしまいます。
自首するべきか迷っていた靖子に声をかけてきたのは、隣の部屋に住む高校数学教師・石神でした。
ほとんど関わったこともない母子に、石神は衝撃の方法で手を差し伸べます・・・
――愛する人のために人を殺してもいいと思いますか?
良識ある人なら、ほとんどの方が否定するでしょう。
どんな理由があったとしても、殺人を犯してはなりません。
けれど靖子と美里を守るため、石神は人殺しになりました。
彼は、一方的に好きになった女性の尻拭いのために恩着せがましく罪を犯した、バカな男なのでしょうか。
そんなものは献身とは言えませんよね。
だれしも社会の中ではちっぽけな歯車です。
ひとりぐらいいなくても明日は来るし、世界が滅亡することはまずないでしょう。
それがどんな人物であっても、周囲に与える影響が大きいか小さいかの違いしかありません。
個人はすべての人に、同じだけの価値を感じていません。
あなたにとってはどうでもいい人でも、別の誰かにとっては唯一無二の大事な人である可能性があります。
絶望の淵にあった石神にとって、靖子は突如現れた救世主のような存在です。
靖子自身が価値がない人間だと思っていても、石神の命があるのは靖子のおかげに違いありません。
だから石神は、靖子の意志を尊重するための小さな歯車として協力することを誓い、自分も罪を背負うことで、自分を戒める道を選びました。
その選択が正しいとは、石神自身も思っていません。
もし靖子に知れれば、彼女は耐えきれなくなってしまいます。
罪悪感を感じさせてしまうことは、神に対する冒涜に等しい行為だったでしょう。
それでも、石神はやり遂げるしかありませんでした。
不器用な男が、崇拝する女性に向けた唯一の献身でした。
石神の行動に賛同することはできません。同情や共感もできません。
でも、ひとりぼっちになっても無償の愛を貫こうとした姿は、尊敬に値すると思います。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『ガリレオ』シリーズ
以外にも、東野圭吾さんの
『加賀恭一郎』シリーズ
『疾風ロンド』
『夢幻花』
『虚ろな十字架』
『マスカレード・ホテル』
などを買取強化しております。
お手元に眠っているお品物がございましたら、ぜひこの機会に現金化を目指してはいかがでしょうか?
小説、ビジネス書はもちろん、ゲーム、CDやDVDなども、高価・簡単・スピード買取のブックマニアにお任せください!
送料・手数料はもちろん無料!高速見積り、他社圧倒の高価査定、迅速入金も保証いたします!
皆さま、ぜひぜひお待ちしております!!
- 古本買取ならブックマニア >
- 古本査定情報 >
- 東野圭吾『容疑者Xの献身』買取強化中です
東野圭吾『容疑者Xの献身』買取強化中です
2014/7/15 カテゴリ: 査定情報