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本多孝好『チェーン・ポイズン』買取強化中です

2014/7/18 カテゴリ: 査定情報

本多孝好さんの『チェーン・ポイズン』を読みました。



週刊誌記者の“俺”は、かつて取材したふたりの男が自殺したことに、ただならぬものを感じていました。

 突発性難聴のため、バイオリンを弾けなくなった若き天才・如月俊

 凶悪犯に妻と娘を殺され、裁きを受けた加害者の最期を見届けた男・持田和夫

生前の関連性は一切ない中、“俺”はその死に奇妙な共通点を見つけます。

ふたりはいずれも、時期を同じくして、アルカロイド系の毒物を服毒してなくなっていました。


そしてもうひとり、同時期に服毒自殺を遂げた、30代のしがない元OLがいたとの連絡が入ります。


3人の自殺に隠された謎とは――――?



余生が1年しかないとすると、あなたは何をしますか?

貯金を全部使い切りますか?

仕事を辞めて旅に出ますか?
これまでできなかった、やりたいことを存分に楽しみますか?


1年だけ生きるのと、終生まで生きるのとで、なぜ行動が変わるのでしょうか。

明日死ぬことだって考えられるのに。



おばちゃんの1年には、“窮鼠猫を噛む”に近いものを感じます。
失うものがないから、自分に正直に生きられる。

それまでは、波風を立てないように、大胆な行動を極力制限していました。

そのせいで、気づけばひとりぼっち、人に誇れる能力も身に着けず、社会から求められないと嘆きます。

けれどそれを打破するバイタリティも、当時の彼女にはありませんでした。



おばちゃんは一見、会社に尽くしていたように見えますが、実際にそうだったとは思えません。

むしろおばちゃんは、会社に寄りかかっていたようにさえ思えます。

何でも会社のせいにして、自分のことを棚に上げていました。


ところが1年という期間を与えられるとすぐ、会社に見切りをつけ、自分のために行動するようになります。

人生に絶望し、窮地に追い込まれて、初めてプライドを捨てて打開策を見つけることができました。



社会も同じではないでしょうか。

年金はもらえないかもしれない、税金は上がる、嘆いていても変わりません。


変えたければ、社会をまるごと変えるくらいのアクションを起こさなければ・・・

現状に満足いかないなら、納得のいく結果をつかむ努力をするほかありません。
みじめな思いをして、自分で勝ち取ったものならば、代えがたいはずです。


周りをあてにしすぎず、きちんと自分の力で生きていける人こそ、自立した人だと言えるのではないでしょうか。

社会は、それができない本当の弱者を助けるためにあればいいと思います。



並の努力ではできませんが、せめて明日死んでもいいと思えるくらい、後悔しない人生を送りたいですね。



さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
チェーン・ポイズン
以外にも、本多孝好さんの
MOMENT
WILL
ストレイヤーズ・クロニクル
MISSING
MEMORY
などを買取強化しております。
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