“日本推理作家協会賞”や“本格ミステリ大賞”などを受賞している、叙述ミステリの人気作です。
成瀬将虎は元探偵事務所で働いていた経歴を持つ、自称“何でもやってやろう屋”だ。
昼間はガードマンとして働き、時折後輩のキヨシと一緒にフィットネスクラブで汗を流す。
あるとき成瀬は、キヨシが想いを寄せる久高愛子から仕事の依頼を受ける。
身内が、霊感詐欺に大金をつぎ込んだ末、ひき逃げに遭って亡くなったらしい。
覚えのない生命保険会社から連絡が来たことから、保険金殺人を疑う愛子。
かつて極道の世界で内偵をこなした経験がある成瀬は、詐欺団体“蓬莱倶楽部”の実態を探るべく調査を開始する。
また同じころ、成瀬は、自殺しようと線路に飛び込んだ麻宮さくらを助け、次第に仲良くなっていく――――
いかに普段から、名称や肩書に騙されやすいかと認識させられますね。
名前から連想するイメージに惑わされて、可能性のひとつを知らず知らず勝手につぶしている可能性があるということに、ショックを受けました。
これまでに何度もメタミステリをご紹介してきましたが、相変わらず先入観が取り除けません。
騙されないぞ！と気張って読み始めたのに、気づけば物語に入り込んでいました。
だからかもしれませんが、読後、非常に残念な気持ちになりました。
小説では、当たり前ですが、キャラクターの顔が見えません。
ジム通いが好きで腹筋は６つに割れていると聞けば、ある程度屈強な人を想像してしまいますよね。
物語をより一層楽しむために勝手にビジョンを作り、ときにキャラクターたちを美化していました。
小説や漫画が実写化したときに「原作のイメージと違う・・・」と思ったことはありませんか？
見た目は重要です。
小麦肌のスポーツマンだと信じていたのに、実写化してみたらただの色黒軟派男になっていた、なんてのはよくある話です。
原作が好きなら、なおさら別物に感じてしまうでしょう。
そしてたいていの場合は、あとから見た実写版が受け入れられません。
『葉桜』には、これに近いものを感じました。
戸島会に飛び込んで小粋に活躍していたありし日の成瀬と、麻宮さくらの謎を解いた現在の成瀬が、どうにも一致しませんでした・・・
祖父母の子ども時代を想像しろと言われても、なかなか難しいですよね。
若いころの写真を見せられて「え？コレおじいちゃんなの？！」なんてびっくりしたことがある人もいると思います。
当たり前ですが、彼らが若いころを駆け抜けてきた結果、今があります。
でも、だからといって、会ったこともない過去の姿に納得ができるかと問われれば、言い切ることはできません。
勝手だと分かっていますが、どうしても想像できないんですよね。
季節が廻れば見える景色も変わります。
しかしながら、葉桜の季節になっても情熱を大事にできる人生は、素晴らしいですね。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『葉桜の季節に君を想うという』
以外にも、歌野晶午さん作品
『密室殺人ゲーム』シリーズ
『舞田ひとみ』シリーズ
『世界の終わり、あるいは始まり』
『絶望ノート』
『春から夏、やがて冬』
などを買取強化しております。
お手元に眠っているお品物がございましたら、ぜひこの機会に現金化を目指してはいかがでしょうか？
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皆さま、ぜひぜひお待ちしております！！
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