2014年3月、竹野内豊さん主演映画の原作『ニシノユキヒコの恋と冒険』を読んでみました!
“わたし”は空き地にものを埋める習慣があった。
金魚の亡骸、ろうそく、痛み止めの錠剤、おもちゃの指輪・・・
その日も空地へ向かうと、タイサンボクの下に同じクラスの西野君がいた。
西野君は女の人とふたりだった。
女の人は、“わたし”の母にそっくり・・・
“わたし”が10歳になる少し前、母は家を出ていった。
以来、“わたし”は父とふたり暮らしをしている。
見つからないように息をひそめて、“わたし”は、西野君と母そっくりの女の人を見守った。
女の人はやがて西野君の手をとって、自分の白いブラウスへと導き――――
10編からなる連作短編集です。
主人公はいずれも、竹野内豊さん演じるニシノユキヒコと恋愛関係にあった女性ばかり。
恋の始まりから別れまでを、思い思いに語ってくれます。
ニシノユキヒコは10人の女性たちと恋愛を繰り広げますが、どんな女性と付き合っていても、既視感が読者を襲います。
毎回次こそは、という気持ちで臨むようですが、結局同じような女性に出会い、同じような言葉を紡ぎ、同じ間違いを犯し続けます。
彼は一人前に愛されたい欲望はありますが、自分が女性たちを愛することはできません。
女性たちもかわいそうですが、ニシノユキヒコもあわれですね。
彼は、中学生のころから50代で亡くなるまで、年齢差のある人も既婚者も関係なく手を出していました。
ちょっと悪いモテる男に見えますが、根なし草のようにふらふらする癖も手伝って、むなしい恋しか経験したことがありません。
6か月も続けば、どちらともなく別れを切り出し、離れていってしまうそうです。
彼はしばしば、結婚したい、子どもがほしい、一緒に死んで欲しいなど、嘘とも本気とも、どっちつかずなことを言いだします。
しかし火遊びの延長に違いないと、女性たちは応えようとはしません。
彼女たちは、別の女性の気配があるのを知りつつ、関係に及んでいます。
最初から浮気を許容する心があるということです。
お互い熱しやすく冷めやすい、都合のいい関係といえますね。
そういう女性を選んでいるのでしょうか。
そういう女性から好かれやすいのでしょうか。
はたまた、彼自身が女性をそんな風に塗り替えてしまうのでしょうか。
自分を愛し、愛してくれる存在はかけがえのないものです。
ニシノユキヒコが真実の愛にたどり着けなかったのは、自分から遠ざけていたからかもしれませんね。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
以外にも、川上弘美さん作品
『天頂より少し下って』
『センセイの鞄』
『神様』
『溺レる』
『蛇を踏む』
『なめらかで熱くて甘苦しくて』
などを買取強化しております。
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2014/8/08 カテゴリ: 査定情報