乙一さん『さみしさの周波数』を読んでみました。
どうしようもなくせつない物語、不思議でちょっと心温まる物語など、4つの物語を収めた短編集です。
小泉と清水が通う小学校には変わった習慣がある。
誰かが欠席したとき、残った給食のパンを休んだ人のうちまで届ける、という習慣だ。
清水は身体が弱く、しばしば学校を休む女の子だったので、家が近所の小泉は、よくパンを届けてやった。
あるとき小泉たちの家の近くに、転校生・古寺直樹が引っ越してきた。
古寺は変わった少年で、転校後、初めての登校日に学校を休んだ。
小泉と清水はパンを届けるため、顔も知らない古寺の家を訪ねる。
古寺はふたりを招き入れ、自分には未来が見えると語りだした。
彼の“未来予報”はあたるときも、外れるときもあった。
それでもふたりは古寺を訪ね、未来予報を聞いた。
古寺は小泉と清水の未来も予報した。
「お前たち二人、どちらかが死ななければ、いつか結婚するぜ」
占いや迷信、ジンクスを信じますか?
雑誌やネット配信の運勢占い、神社のおみくじ、出かけるときに右足の靴紐から結べば一日調子がいいなんていうものもありますね。
特に根拠や実績がなくても、こういったものを信じたくなることはあります。
恋をしていたら恋愛運が気になりますし、受験前には学業の神さまにすがりたくなります。
古寺の未来予報も、少なくとも小泉にとっては、血液型占いと同じくらい懐疑的なものでした。
それでも、相手を具体的に言われたとなるとそうはいきません。
先の計り知れない小学生にとって結婚は大きなイベントですし、相手まで予報されてしまえば、なおさら心に残るでしょう。
時期も漠然としていて信用できないものだとわかっていても、意識するなというのが無理な問題です。
不確かとはいえ、未来を知るというのはメリットのほうが大きいのでしょうか。
予報の内容を知ることによって、未来が絞られてしまう可能性だってあるはずです。
未来を知ることができたら、それが望ましいものならそうなるように努力するかもしれませんし、反対に嫌なものならそうならないように行動してしまうでしょう。
小学生の多感な少年少女が、予報を知ることによって、予定されていた未来と別の行動をとる可能性だってあるはずですよね。
古寺の未来予報によると、死ぬ未来もあり、結婚して幸せそうにしている未来もあったそうです。
死ななければ結婚したのか、結婚していれば死ななかったのか、今となってはわかりません。
もしかすると、古寺が未来予報をふたりに伝えなければ、疎遠になることもなく、結婚していたかもしれません。
あるいは、全く別の人と結婚していたかもしれません。
未来を知ることでできるようになることも、もちろんあるはずです。
けれど知らなければ、それはそれで、別の可能性にたどり着けるかもしれませんね。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『さみしさの周波数』
以外にも、
小池真理子さん『恋』
石田衣良さん『眠れぬ真珠』
野沢尚さん『恋愛時代』
江國香織さん『号泣する準備はできていた』
橋本紡さん『流れ星が消えないうちに』
などを買取強化しております。
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2014/8/12 カテゴリ: 査定情報