綾辻行人さん『十角館の殺人』を読んでみました!
出版されて20余年がたった今なお、愛され続けている新本格ミステリの名作ですね!
半年前、小さな孤島・角島で、奇妙な事件が起こった。
角島の所有者は、資産家で元建築家の中村青司。
青司は変わり者で、島に青屋敷というからくり館と、上から見た形が十角形の十角館を建てて、妻・和枝と使用人夫妻と一緒に暮らしていた。
ある夜のこと、青屋敷が業火に包まれたのだ。
島へ渡った警察が調べると、焼け崩れた中から黒こげの青司、頭をたたき割られた使用人夫妻、そして左手首を切り落とされた和枝が、それぞれ遺体で見つかった。
そして火災のあった日、庭師の吉川が屋敷を訪れていたことがわかったが、彼の姿は島から忽然と消えていた・・・
大学のミステリ研究会に所属する7人は、この事件に興味を持ち、無人島となった角島に1週間の滞在を計画する。
島へ渡って3日目、ひとりが絞殺され、見つかった。
遺体は和枝と同じく、左手首を切り取られていた――――!
おもしろい小説には2種類あると、個人的に思っています。
ひとつは、先が気になって仕方がなくて、やらなきゃいけないことを先延ばししてでも読んでしまいたい小説。
わたしにとって、おもしろい小説のほとんどはこちらです。
もうひとつは、もちろん続きは気になるんですが、全部読んでしまうのがもったいないと感じるくらい期待してしまう小説。
良作は何度読んでもおもしろいものですが、やはり1周目の感動は1度きりですから、慎重になります。
『十角館の殺人』はまさしく後者!
一気に読み終えてしまったら、こっちが燃え尽きてしまうんじゃないかと不安に思うほど、鬼気迫る小説でした。
こんなにわくわくさせられるミステリにはめったに出会えません。
ミステリは、やはり犯人とトリックが肝心の物ですよね。
叙述ミステリの2周目以降は特に、ドキドキよりも答え合わせ気分が勝ってしまいがちです。
最終章はついつい一瞬で読み切ってしまいましたが、導入からサスペンス色の強いパートは、はやる気持ちを抑えて、ページをめくる速度を落としました。
読み手をここまで入れ込ませる最大の要因は、何が起こるかわからない恐怖感でしょう。
古典的に感じられますが、人間の科学力も全くあてにならない環境に、人は戸惑いを感じます。
半年前には怪奇な殺人があった呪われた孤島。
外部との連絡手段は皆無。
奇妙な構造をした館。
相次ぐ仲間たちの死。
失われた左手首の謎。
ちらつく幽霊の影。
信じられるものがいない孤独・・・
人物描写も優れていて、いわゆるキャラものと言えるくらい多彩なキャラクターですね。
健全で、むしろミステリの狂気に耐性のある若者たちが次々に心を病んでいく姿を目の当たりにするというのは、安全圏でドラマを眺めているこっちまでうすら寒さを感じます。
今までこんなに面白い小説を知らずに、もったいないことをしていました。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『十角館の殺人』
以外にも、綾辻行人さん作品
『迷路館の殺人』
『時計館の殺人』
『奇面館の殺人』
『Another』
『霧越邸殺人事件』
などを買取強化しております。
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2014/8/18 カテゴリ: 査定情報