吉川英治文学新人賞受賞作であり、伊坂幸太郎さん代表作のひとつでもあります。
大学に通うため、引っ越してきたばかりの椎名が出会ったのは、アパートの隣人・河崎。
河崎は口達者で不思議な男だった。
しかも妙に親切で、ちょっとなれなれしい。
見ず知らずの椎名を部屋にあげて酒を振舞ったり、黒猫を「シッポサキマルマリ」というあだ名で呼んだり、「シャローンの猫」という与太話を繰り広げたり・・・
極めつけが「一緒に本屋を襲わないか」という誘いだった。
河崎は広辞苑を盗むのを、椎名に手伝ってほしいという。
全くばかばかしいと思う椎名だが、2日後の深夜、彼はなぜか本屋の裏口でモデルガンを構えていた!
実行犯は河崎。椎名に与えられたのは、裏口の見張り役だった。
犯行を終えて戻ってきた河崎が手にしていたのは、広辞苑ではなく、広辞林――――
強奪の果て、なんと河崎は奪う辞書を間違えてしまった!!
ブータンは世界一幸せな国として日本でも有名になりましたが、素敵な国ですね。
おおらかで他人に優しくできるのは美徳でしょう。
普段は信仰していない神様のところに特別なときだけ出向き、自分や身近な人の願い事をするわたしには、見習うべきところがたくさんありました。
輪廻や、善い行いをすれば善いことが、悪い行いをすれば悪いことが自分に返ってくるという考えは日本にもあります。けれど、人生一度きり精神をもつ日本人とは発想のスケールが違いますね。
ご先祖様かもしれないから、蚊も殺さないなんて、だいぶ変わっています。
憧れますが、わたしはきっと、ブータン人の精神にはなれないでしょう。