小川洋子さん『博士の愛した数式』を読んでみました。
第1回本屋大賞を受賞し、映画化したことでも有名ですね。
“私”は10歳の息子とふたりで暮らしながら、家政婦として働いている。
新しい派遣先は、数学“博士”がいる家だった。
すでに9回も家政婦を変えている家で、“私”も戦々恐々働き始めた。
博士の家での仕事は難しくない。
普段は数学と向き合い続けているのを放っておけばいいので、家事に専念することができ、面倒事はむしろ少なかった。
度重なる家政婦交代のわけは、博士が語る数学の話に根を上げた家政婦が多かっただけだ。
博士は丁寧な人で、子ども好きな面もあった。
数学が苦手な“私”にもわかりやすく教えてくれるし、息子を“ルート”と呼び、算数の勉強をみてくれることもあった。
ただ、博士にはもうひとつ特徴があった。
博士の脳は、1975年以降、記憶を刻むのをやめてしまっていた。
博士の記憶は、80分しか持たないのだ――――
どんな学問でもそうですが、先生によってやる気が変わってしまうことはありますよね。
学生時代、先生が代わったことでテストの点まで変わった経験をもつ人もいるのではないでしょうか。
もちろん本人のやる気が一番大事ですが、興味のないものに興味を持たせてくれる先生もいるものです。
「おもしろい」と感じれば、学問に取り組む気にもなりますが、「意味が分からない」ものを好んで学ぶ気にはなりませんよね。
相性もあります。
教え方も先生ごとに違いますし、生徒によって適切な教え方も変わるでしょう。
信頼関係だって大事だと思います。
可愛くない生徒に懇切丁寧に教えられる指導者は少ないでしょうし、尊敬できない人に師事しても期待されているとも、期待に応えたいとも思えません。
“私”とルートは、博士にとって毎日初対面から始まります。
仕方のないことですが、博士は何度も同じことを語りますし、自分が出題した問題だって忘れてしまいます。
ここだけを見ると、指導者と学習者の関係として、理想的とは言えないでしょう。
それでも、“私”とルートは博士の説明に何度も聞き入り、そのたびに新しい何かを発見しようとしました。
それは博士が数学へ向ける愛情と、博士の持つ人徳に因るところが大きいのかもしれません。
どんなに偉大な数学者だったとしても、「低学歴の君には、こんな高尚な学問は理解できないだろう」なんて態度で教えられたら、学べるものも学べませんよね。
相手を選ばず敬意を払いあえば、お互いにかけがえのない新しい関係が作れるのかもしれませんね。
さて、ブックマニアでは、今日ご紹介した
『博士の愛した数式』
以外にも、小川洋子さん作品
『ことり』
『猫を抱いて象と泳ぐ』
『世にも美しい数学入門』
『物語の役割』
『いつも彼らはどこかに』
などを買取強化しております。
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2014/8/20 カテゴリ: 査定情報